ラウンドアップという名前を聞いた事はありますか?
これは、除草剤の名前です。

フランスでは、この除草剤およびその関連商品の販売が禁止されました。
南仏リヨン(Lyon)の行政裁判所は、この販売禁止の決定に先駆けて、規制当局が安全上の懸念を考慮せずにラウンドアップの販売許可を出したとする判決を下しました。

フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、「ラウンドアッププロ360(Roundup Pro 360)」の販売は即日禁止されたと発表しました。

このラウンドアップには、環境保護運動家や専門家が長年発がん性を指摘している、グリホサートが含まれています。

欧州連合(EU)は、2017年11月にグリホサートの認可をさらに5年更新しました。
しかし、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、2021年までにグリホサートの使用を禁止すると約束していました。

ラウンドアップの生産・販売権は現在、開発元の米農薬大手モンサント(Monsanto)を昨年買収したドイツ製薬大手バイエル(Bayer)が保有しています。
米カリフォルニア州では、除草剤の健康被害リスクについて十分に知らされていなかったと訴えた末期がんの男性の主張を裁判所が認め、バイエルに対し7800万ドル(約84億円)の損害賠償の支払いを命じました。

 

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ラウンドアップとは

1970年にアメリカの企業モンサントが開発した除草剤です。
開発から販売を手掛けてきたモンサントは、2018年にドイルのバイエルに買収されました。

有効成分はグリホサートカリウム塩で、水で指定倍率に希釈して使用します。

ラウンドアップの危険性

世界中の数百の都市で、毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、農民や労働者が抗議行動をおこなっています。
これは、モンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議デモです。
ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に「反モンサント・デー」が始まりました。
世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっています。
ところが日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも普通に販売されています。

世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが、日本市場になだれ込んでいるのでしょうか。
ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみましょう。

フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止しています。
ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としています。
このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表しました。
2017年には、米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表されました。
発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクトです。
急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%です。
同じ年に、カリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せました。
2020年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表しました。

 

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グリホサート

グリホサートは発がん性があり、植物を枯れさせますが、同様に土壌細菌や腸内細菌にも悪影響が及びます。
腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されています。

また、生殖に与える影響も懸念されています。
精子の数の激減や、胎児の発育に影響を与える可能性もあります。
それだけではなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されています。

ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えると言われています。
グリホサートも同様に、世代をこえた影響が出る可能性も指摘されています。

1996年、モンサントは「飲んでも大丈夫」「食卓塩より安全」「動物にも鳥にも魚にも事実上毒ではない」と宣伝していました。
それに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こしました。
2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こしました。

グリホサート使用による土壌の汚染問題が争点で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」としました。
2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められました。
デンマークでは、2003年にラウンドアップの散布が禁止されました。
グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったからです。

2008年の研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が、試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになりました。
代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のものです。

2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見されました。
脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることを「内分泌腺の撹乱」と言います。

カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用が禁止されました。

 

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