世の中には、「愚痴をこぼしてはならない」「人の悪口を言ってはならない」といった価値観があります。
確かに、悪口は耳にするのも嫌だし、愚痴ばかり言っている自分にも幻滅してしまうかもしれません。
それどころか、悪口が回りまわって相手に伝わってしまう場合もあります。
だから、「悪口は言わない」という戒めがあるのですね。

健康サロンのNOBUです!

でも、不満を我慢してずっと抱えていると、心の健康にはよくありません。
時には思い切って吐き出して、スッキリするのもいいかも知れません。

では、いいねボタンとチャンネル登録をしていただいて、早速動画に行ってみましょう!

 

スポンサーリンク







ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

現実の対処と感情の対処

忙しい時に職場や家庭でトラブルが発生した時、内心イライラしたり腹がたっていても、私たちは感情を抑えて、現実問題のほうを解決しようとします。
多くの場合、我慢したり、「怒ってはダメだ」と自分に言い聞かせをしたりして、なんとか理性的に対処しようとするもの。
これは日常生活の中の小さなトラブルなら効果的です。
しかし問題は、「怒り」が大きく発動する時です。
「怒り」の感情は、私達の心と体をあっという間に乗っ取ります。

 

日ごろクールで冷静な態度を心がけている人でも、怒鳴ってしまったり、机を叩いたり、怒りの瞬発力は強烈です。
このような状態になったら、「我慢」も「言い聞かせ」も効きません。
たとえ、我慢と言い聞かせで大きなトラブルに発展するのは避けられたとしても、強い怒りはいつまでもくすぶり続けます。
「私は悪くない」「絶対に許さない!」と、怒りに乗っ取られた状態が続きます。

このくすぶる感情は、問題の理性的な解決を妨げてしまいます。
状況をかえって悪化させていくこともあるでしょう。
「怒り」という感情に対処するには、まず「現実の対処と感情の対処は別」と理解しましょう。
現実の問題を解決したいなら、まず「怒り」という感情に対処していきましょう。

 

怒りを感じたら行う事

(1)距離をとる

その場を速やかに離れて、トラブルの相手が見えず、声も聞こえない場所に移動して下さい。

(2)味方工作

次のステップとして、他の人に相手の悪口や愚痴を言います。

原始人はつねに飢えて、猛獣や他の部族との命の取り合いの中で生きてきました。
彼らにとって、自分サイドについてくれる人数が多いほど、勝って生き残るチャンスが高まります。
そこで「一人でも多く、早く味方につけたい」と考える訳です。
だから戦いの場で「怒り」が発動すると、「自分はいかに不当な攻撃をされたか」などを話し、広く同情を得て、自分の味方をたくさん募ります。

 

現代人の私達にとっても、腹の立つ出来事があった時に「この無念さ、悔しさ、痛さをわかってほしい」と思い、多くの人に訴えたくなるのはごく自然な事なのです。
そして、本当に味方になってくれる人が現れると、心はスーッと落ち着いてきます。

 

スポンサーリンク




悪口のカタルシス効果

日本の祭りには、なんと悪口が登場するものがあるんです。
日本三大毘沙門天のひとつ、栃木県・足利市の最勝寺(大岩毘沙門天)の「悪口(あくたい)まつり」です。
この祭りは、江戸時代から続く伝統行事で、大晦日の晩から元旦の未明にかけて、
1年間積もった鬱憤を「バカヤロー!」と叫んで発散しながら、行進します。

心のうちにある苦悩、怒り、不安やイライラなどの感情を言葉にして表現すると、
苦痛が解消されて安堵感や安定感を得る事ができるとされています。
これは精神心理学的に「カタルシス効果」と呼ばれるもので、愚痴や悪口の効能は、科学的にも証明されています。

ストレスにさらされた会社の受付嬢は、休憩時間に給湯室でグチを言い合うと、
ひとりで休憩した場合に比べて、唾液中のストレスホルモンが減少します。

人はストレスを感じると、血圧の上昇や動悸などの興奮反応を起こし、
それが続くと、不眠症やうつ病など心の病気にかかるリスクが高まります。
そこでグチや悪口でストレスを発散すると、心身が健康な状態に回復することが出来る訳です。

2つの対処法

このように効能のあるグチや悪口ですが、気をつけなければならない点があります。
グチや悪口を言っていると、「嫌だ」「辛い」という感情を和らげることは出来ます。

しかし、問題の根本的な解決にはつながりません。
一時的には気持ちが落ち着いたとしても、結局ストレスフルな状況から抜け出せないのです。
と言っても、問題を解決しようと絶えず努力を続けていると心身が疲弊し、行き詰まりを迎えてしまう事もあります。
ストレスを避ける事が出来ない現代社会においては、この2つの対処法をバランスよく用いることが重要なのです。

 

例えば、やりたくない仕事を押し付けられた時に、不満のある気持ちを抱えたまま取り組もうとしても、なかなか身が入らないかもしれません。
そのような状態が続くと、仕事は進まずさらに大きなストレスを抱えてしまいます。

このような時には、理解ある同僚や友人に頼んで、グチや悪口を聞いてもらいましょう。
そうすれば、ストレスを発散し(情動処理型)、スッキリした気分で仕事に向かう(問題解決型)事が出来ます。

 

このように、問題を解決する為に愚痴や悪口を活用するのは、精神心理学的にも有効な方法です。
ただ、愚痴を言う相手は、信頼できる、口が堅い人を選びましょう。
愚痴は逆に言うと「弱み」情報でもあり、愚痴を言う相手を間違えると、大変な事になる可能性もあります。
日ごろから、愚痴を言い合える信頼できる人間関係を築いておくのは大切な事ですね。
それが難しい場合は、プロのカウンセラーを活用することも考えましょう。
「秘密を他言しない」という事は、カウンセラーなら守ってくれるはずです。

 

スポンサーリンク







おすすめの記事