癌放置理論は正しいのか?

癌放置理論は、近藤誠医師が提唱したものですが、ほとんどの医者は反対の立場を取っています。
では、あの有名な美容外科医である高須幹弥医師はどう考えているのか、彼の動画を見てみました。

基本的に高須医師は癌放置理論には反対の立場をとっています。

健康サロンのNOBUです!

高須医師もおっしゃる通り、この近藤誠医師の知名度は高く、その著書は何冊もベストセラーとなりました。
それにも関わらず、どうして高須医師は癌放置理論には反対の立場を取っているのかについて、
この動画ではじっくりと迫っていきたいと思います。

 

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癌放置理論とは?

・癌は放置しても死なない「癌もどき」と、どの様な治療を受けても転移してしまう「本物の癌」がある。
・手術や化学療法は、生存率を高めるどころか命を縮めるだけなので、放置すべきである。

 

これらの言葉は、癌患者にとって魅力的な言葉です。

 

結果、本来なら手術や治療で助かったはずの人が民間治療などに頼り、結局亡くなってしまうという事例が増えてしまいました。
癌治療に携わる医師達にとっては、厄介な問題となりました。
癌の標準治療というものには世界的な指標があります。
その指標にのっとって治療すれば生存率が高まる、というものです。
ですので、基本的には標準治療に従って治療を行います。

しかし、放置理論は癌の標準治療を完全に否定しています。
出来れば手術や化学療法を受けたくない、という人達が放置理論に飛びついてしまいました。

近藤医師がテレビに出演すると、テレビ局は彼を持ち上げました。
出版業界も彼を持ち上げました。
確かに近藤医師の患者で、手術や化学療法を受けずに生き続けている人達はいます。
ただ、この方達はごく一部の患者達です。
その一部の患者達をクローズアップして報道していたのです。
治療しなくても、癌を持ったまま長く生きる事が出来る、と信じる人達が増えてしまいました。

 

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癌放置理論は正しいのか?

アメリカの癌患者の1.2%の人達は、様々な理由から治療を拒否しています。
治療を受けなかった人と受けた人の生存率を比べると、明らかに治療を受けなかった人の死亡率は高くなっています。

結腸癌では12.4倍
乳癌では5.8倍
肺癌では4.5

この様にエビデンスがありますので、癌に関しては標準的治療に従って、きちんとした治療を受ける必要があります。
勿論手術は怖いし放射線治療は辛いものです。
家族や友人が癌治療に苦しんだ経験があったり、癌治療を受けていた芸能人が亡くなったニュースを直近で見ていたりする場合、治療に対する恐怖心が高まり、医師の説明はネガティブな側面として受け止められてしまいます。

「今の生活を維持したい(現状維持)」という気持ちは変わらず、治療による苦しみや死という多大な損失がもたらされる「損失状況」として認識されます。
治療を受けずに病状が悪化するというリスクを負ってでも,「現状維持の可能性がある他の選択肢」を選んでしまうのです。
がん治療の知識や経験がそれほどない人の場合、ほとんどは「現状維持」を望みますが、医師の適切な説明により、「このままではがんが進行してしまう」という気持ちに変化します。
「術前化学療法を行い手術をする」という説明はポジティブな側面として受け止められます。

治療により、余命の延長や予後の改善が得られる「利得状況」として認識できると、人はリスク回避的になります。
病状が悪化するというリスクを避ける、つまり「治療を受ける」という意思決定をしやすくなるのです。

ここで注目すべきは、「癌放置理論」は、上記のネガティブな側面をそっくりそのまま利用している点です。
癌治療やそれを勧める医師に対する恐怖をあおり、適切な判断を出来なくします。
すると、医師からの説明をポジティブな側面として理解できず,ネガティブな側面として受け入れるようになります。
何もしない事に正当性を与え、治療を受ける意思決定を妨げるのです。

手術を受ける事によって、反対に寿命が縮んでしまう可能性も無い訳ではありません。
手術した医師の技術力、患者の精神力、年齢などによっても左右されます。
またごく一部ですが、オーバーサージェリーと言って、必要以上に手術を行ってしまう医師もいます。

近藤医師は、癌を放置しても治るとは言っておらず、治療をしても結果は変わらないから「覚悟しなさい」と言っているようなものです。
でも、患者は手術や化学療法をしなくても良くなると思っているのです。

治療しないのも選択の一つです。
でも、標準治療で生存率が上がるエビデンスがありますので、そこの所は良く考えて判断しましょう。

このようなことを高須医師は考えています。
大切なことは、きちんと事実に基づいたエビデンスを平等に考慮して、
どちらかに偏らない判断をするということが大切だと思います。

 

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