私達が毎日使う食塩からマイクロプラスチックが検出されています。

世界21カ国で取れた塩を使い、食卓塩として販売されている39銘柄を調査した所、90%からマイクロプラスチックが検出されました。
39銘柄中プラスチック片ゼロはわずか3銘柄しかありませんでした。

米国化学会発行の業界誌ケミカル&エンジニアリング・ニュース(C&EN)によると、年間800万トンのプラスチック・ゴミが海に流れ出ています。
プラスチック汚染に関する調査では、海に流れ着いたマイクロプラスチックを年間2000個も口にしている事がわかりました。

 

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マイクロプラスチックとは?

マイクロプラスチックとは、粉々になって大きさが5ミリ以下になったものを指し、大きく分けて「一次マイクロプラスチック」と「二次マイクロプラスチック」の2種類に分類されます。
一次マイクロプラスチックは、洗顔料・歯磨き粉といったスクラブ剤などに利用される小さなプラスチックのことで、主に家庭の排水溝などから下水処理を通り、海へと流出します。
一度流出すると回収はできず、製品化された後の対策は難しいとされています。

一方、二次マイクロプラスチックは、街に捨てられたビニール袋やペットボトル、タバコのフィルターといったプラスチック製品が側溝などから川を伝って海へ流出し、紫外線による劣化や波の作用などにより破砕されて、マイクロサイズになったもののことを指します。
これは、ごみの発生を抑制し、マイクロ化する前であれば、ある程度の対策も可能となります。

マイクロプラスティック問題

海に流出してたまり続けるごみの中でもプラスチックの量は多く、自然界で分解されるまでには、100〜200年、あるいはそれ以上と途方もない時間がかかります。
それはマイクロプラスチックも同じで、海の生物に対して物理的な影響と、化学的な影響を及ぼします。

マイクロプラスチックがサンゴに取り込まれ、サンゴと共生関係にある褐虫藻(かっちゅうそう)が減り、その共生関係が崩れてしまうことが報告されています。
褐虫藻とは、サンゴと共生する植物プランクトンのことで、サンゴが代謝した二酸化炭素と太陽の光で光合成を行い、サンゴの栄養である有機物を作り出し、サンゴはその栄養を吸収しながら生きていると言われています。

また、化学的な影響として、プラスチックに使われる添加物には有害性が指摘されるものもあり、マイクロプラスチックになっても残留します。
加えて、プラスチック自体も化学物質を吸着しやすいといった特性があり、生物や人体に取り込まれるとどんな影響を及ぼすか分かっていません。

アジア産の食塩に多い

米ウェブメディア、クオーツによると、調査は韓国の国立大学、仁川大学校が国際環境NGOのグリーンピース・東アジアと共同で行なったものです。
調査に使用された食塩は、オーストラリア、ベラルーシ、ブルガリア、中国、クロアチア、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、インドネシア、イタリア、韓国、パキスタン、フィリピン、セネガル、台湾、タイ、英国、米国、ベトナムの21カ国で取れたものです。
39の銘柄のうち、28銘柄は海塩、9銘柄は岩塩、2銘柄は湖塩でした。
マイクロプラスチックが検出されなかった3銘柄は、台湾産の精製海塩、中国産の精製岩塩、そしてフランス産の未精製の海塩だけでした。
最も多くのマイクロプラスチックが検出されたのは、アジア諸国産の塩でした。
マイクロプラスチックの含有量が多かった上位10銘柄のうち9銘柄がアジア産でした。
含有量の多さは、最も多くのプラスチックが海に流れ出ているポイントと関係があるとクオーツは指摘しています。

今回の調査結果により、プラスチック汚染が世界で最も深刻な場所はアジアであることが示されました。
そして、海塩が海洋環境のマイクロプラスチック汚染の度合いを知る指標になりえる事も分かりました。

しかし、食塩から取り込むマイクロプラスチックは、人間が体に取り込んでいる全体量のほんの一部に過ぎません。
体内に入る全体量は、年間で成人1人当たり3万2000片に上ると見られています。
食塩からの2000片はこのうちわずか6%にしか過ぎません。
80%は呼吸から体内に取り込まれていると言われています。

 

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大気中のマイクロプラスティック

最新の調査では、現時点で米西部の大気中には1100トンのマイクロプラスティックが浮遊していると言われています。
そして、マイクロプラスティックは上空から落下し、北米のみならず世界の僻地を汚染しているのです。

このマイクロプラスティックは、いったいどこから来たのでしょうか?
最新のモデリングによると、米西部の大気中に浮遊するマイクロプラスティックの84%が地方の道路由来である事が分かっています。
さらに全体の11%は、海から運ばれている可能性があります。
研究者は、マイクロプラスティックが1週間近く大気中に浮遊していると考えています。

マイクロプラスティックには、複数の排出源があります。
ひとつが、環境に放出されたプラスティック製の袋やボトルです。
これらは、どんどん小さな断片へと分解されて行きます。

もうひとつの大きな排出源は洗濯機です。
合成繊維を洗濯すると、小さなマイクロファイバーがはがれ落ち、廃水処理施設に流されます。

廃水処理施設はマイクロファイバーの一部を、し尿をろ過処理した汚泥に閉じ込め、汚泥は田畑で肥料として利用されます。
それによって土壌に多くのマイクロプラスティックが混入することになります。

さらに廃水処理施設では、残りのマイクロファイバーを処理済みの排水と一緒に海に放出します。
現在は海に流入するマイクロプラスティックの量よりも、海から運ばれてくる量のほうが常に多い可能性がある事が分かっています。
つまり、海から陸へのマイクロプラティックの「輸入」の量が、陸から海への「輸出」の量を上回っている可能性があるのです。

海洋に流出している9割のプラスチック廃棄物はわずか10の河川から流れ込んでいる

独ヘルムホルツ環境研究センター(UFZ)の研究プロジェクトによると、およそ9割が、わずか10の河川から流れ込んでいるという事です。
とりわけ東南アジア諸国が最も多い事が分かっています。

プラスティック廃棄物を流している10の河川とは

その流出源として挙げられているのが、中国の長江、黄河、海河、珠江、中国とロシアとの国境付近を流れるアムール川、東南アジアを縦断するメコン川、インドのインダス川とガンジス・デルタ、アフリカ大陸東北部から地中海へと流れるナイル川、西アフリカのニジェール川です。
これらの流域は比較的人口の多い地域として知られています。

研究プロジェクトでは、プラスチック廃棄物の排出量とプラスチック廃棄物の不適切な処理との相関関係を分析しました。
流域で適正に処理されていない廃棄物が多いほど、河川から海に流出するプラスチック廃棄物の排出量が増えることが明らかになりました。
水理地質学者のクリスチャン・シュミット博士は「これら主要な河川の流域からのプラスチック廃棄物の排出量を半減させるだけでも、海洋汚染の軽減に大きな効果をもたらす」と指摘しています。
「そのためには、廃棄物の分別回収やリサイクルなど、廃棄物マネジメントの改善をはかるとともに、一般市民に向けた啓発活動を積極的に行うことが不可欠だ」と述べています。

 

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